2010-01-01から1年間の記事一覧

往復書簡006:クレオール

ぼくを湿地帯に引きずり込んだなんて、とんでもない。どうか、お気づかいなく。なにしろ、ぼくは、「日本近代美術史」という、天使も踏むを危ぶむ泥濘地帯をフィールドとして研究をつづけてきたのですから。 そればかりではありません。「日本」と呼ばれるこ…

往復書簡005:背丈ほども伸びた草のなかで

SGT

北澤さん 珍しく、時間をおかずに返信します。 ブリコラージュ、コーヒーカップ、そして動いているということ。どれも心に沁みました。本来そんな気持ちの悪い場所に、じめじめとした湿地帯に、足を踏み入れる必要などなかった人を、引きずり込んでしまった…

往復書簡004:ブリコラージュ

ずいぶんと応答が遅れてしまいました。失礼をお詫びします。ひとこと言い訳をさせていただけば、博士課程の院生たちの論文指導が大きな山場を迎えところに豊田市美術館の講演と集中講義の準備が重なって、てんてこまいの毎日でした。どうか、ご寛恕ください…